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基本知識

妊娠中の造影剤は赤ちゃんへ影響を与える?

投稿日:2017年4月11日 更新日:

造影剤とは、画像診断のときに、画像にコントラストを付けたり、特定の組織を強調させて撮影するために、患者に投与する医療品のこと。

そんな造影剤が、妊娠中の妊婦さんに影響を与えるのではないかといわれています。

妊娠中も、疾患にかかってしまうということは少なくないもので、病名を確かめるために検査を行います。その際に造影剤を使った検査を行うと奇形児リスクが高まる、流産のリスクが高くなるといわれているのです。

本当に造影剤は妊婦さんに悪影響を与えてしまうのでしょうか。造影剤についての知識や、噂の真相に迫っていきます。

妊娠中の造影剤にはどんな検査がある?

妊娠中に行う可能性のある、造影剤を使った検査についてまとめてみました。

造影剤と聞くとピンとこないかもしれませんが、X線やCT検査、MRI検査にも造影剤が使われているのです。

造影剤がもたらす可能性のある副作用や、胎児への影響も解説していきますので、造影剤とは何か、どんな検査があるのか、しっかり学んでいきましょう。

造影剤を使う検査の種類は?

では、初めに造影剤を使う必要のある検査の解説をしていきます。

胃部X線

胃部X線は、一般的にバリウム検査とも呼ばれます。この検査は胃がんを早期に発見するためや、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ポリープ、胃炎を発見することもできるのです。

妊娠中だと、胃部X線を受けさせてもらえない病院もありますが、妊娠中のひどい腹痛や上記で挙げた病名に該当する症状が出れば、胃部X線を受ける必要があるかもしれません。

また、胃部X線は、会社などの定期健康診断で受けることが多く、妊娠に気付かず検査を受けてしまったという方が多いですね。

妊娠超初期の状態で検査を受けてしまった場合、お腹の中の赤ちゃんに影響が出る可能性もありますが、1割にも満たない程度なので過剰に心配する必要はありません。

CT検査

CTとは、コンピューター断層撮影法(Computed Tomography)の略で、体にX線を照射し、体の内部を画像化する検査です。

X線を照射すると聞くと、被ばくによる発がんの可能性が上がるのではないかと考えてしまいますが、体に害がない程度の放射能なので心配ありません。

検査部位は全身なのですが、特に心臓、大動脈、気管支、肺、胸部、肝臓、腎臓、骨盤を詳しく調べることができます。妊娠中に、子宮がんや、卵巣腫瘍、子宮筋腫などの病気にかかっている可能性があると診断されたら、CT検査を受けなければいけませんが、健康な状態でならCT検査を受けることはまずありません。

MRI検査

MRI検査とは、強力な磁石でできた筒の中に入り、磁器の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査となっています。特に脳や脊椎、四肢、子宮、卵巣に生じた病変を発見することが得意です。

妊娠中は、子宮の異常などでMRI検査を受けることが多いのですが、定期健診で行われる超音波健診の代わりに、MRI検査で赤ちゃんの成長具合を診る病院もあります。

CT検査と似ているような印象を受けますが、MRI検査は放射能を照射しないので被ばくの可能性がゼロです。

造影剤の副作用?

次に、各検査で使用される造影剤の種類について、副作用と合わせて紹介します。

使用する造影剤 体外排泄方法 副作用
X線 バリウム 排便 腹痛、便秘、頭痛、めまい、嘔吐、発疹、じんましん
CT ヨード 排尿 嘔吐、かゆみ、じんましん、熱っぽさ
MRI ガドリニウム 排尿 頭痛、嘔吐、めまい、じんましん、発疹、かゆみ

身体から造影剤を出す方法は、便もしくは尿です。

排尿で体外排泄方法を行う場合は、上記の副作用だけでなく腎臓が負担を受けます。

腎機能が低下している方は、造影剤を体外に排出することが困難なので、これによって、腎性全身性線維症を引き起こす可能性もでます。

妊娠中のX線、CT、MRI、胎児への影響は?

妊娠中の方が一番気になる赤ちゃんへの影響についてそれぞれの検査ごとに解説していきます。

X線

妊娠中に受ける放射線の影響は、100ミリシーベルトからとされています。

100ミリシーベルトを越えると、妊婦さんの体や赤ちゃんの形成に問題が生じてしまうのです。では、X線で受ける放射線の影響はどのくらいなのでしょうか。

まず、胎児への被ばく線量を測るにはmGyが良いとされているので、ミリシーベルトをmGyに変えて見ていきます。

1 mSv/秒 = 1.25 mGy/秒 なので 100 mSv/秒 = 125 mGy/秒 に換算できます。

胸部X線は0.01mGy以下、バリウムを使用した胃部X線は1.6mGy。つまり、X線による被ばく線量はごくわずかなのです。

しかし、影響が無いとは言い切れないので、妊娠4週~16週の赤ちゃんの体が形成される重要な期間は万が一のため避けましょう。

参考:放射線被曝量 単位/時間計算機

http://www.nap.st/radiation_exposure_per_time/

CT

CT検査は、X線よりも放射線の影響が大きく、妊婦さんに関わることが多い骨盤CT検査は79mGyとなっています。しかし、100mGyには達していないので、CT検査も一般的には問題ないとされているのです。

数字的に見れば心配ないですが、X線と比べるとCT検査の危険は大きいですよね。

CT検査を受けるなら、できるだけ妊娠初期を避け、赤ちゃんの形成がある程度進んでからにした方がよいですね。

MRI

MRIはX線やCTのように、被ばくの危険性はありません。

しかし、MRIを撮影するときに使用されるガドリニウムは胎盤を通過する、つまり、胎児に届くということが医学的に証明されています。胎児に悪影響を与えたという報告はないのですが、ガドリニウム自体、体に良いものではないので、どうしても必要な時以外は使わないほうが良いです。

造影剤を使った一般的な検査は上記で紹介した3つですが、他にも複数存在しています。また、同じ検査でも造影剤の種類が違うものもありますので、検査を受ける前はしっかりどんな検査なのか、どのような薬を使用するのか聞いておくことが大切です。

妊娠中の造影剤が赤ちゃんへもたらす影響は?

造影剤を使用した検査の説明や、簡単に造影剤についての説明をしてきましたが、造影剤自体が赤ちゃんに影響を与えるのかどうか、学んでいきましょう。

検査に問題があるだけで造影剤に問題はないのでは?と考えている方も多いです。造影剤が及ぼす影響についてもきちんと知っておくことで、お腹の中の赤ちゃんを守ってあげることができます。

バリウム

バリウムの主成分は硫酸バリウムというもので出来ています。

硫酸バリウム自体に毒性はなく、普通に飲んでも赤ちゃんに影響は及ばないのですが、うまく排便することができないと、腸の中でセメントのように固まってしまうのです。これがとても危険で、硫酸バリウムが腸の中に固まってしまうと便の中の細菌が繁殖してしまいます。腹痛や発熱を起こすこともあるのです。

妊娠中は、便秘をしやすくなっているので、硫酸バリウムを外にうまく出すことができない状態に陥るかもしれません。

腸の中のバリウムを放置しておくと、憩室炎を引き起こすことも。硫酸バリウム自体に影響はなくても、体のなかにとどまると危険です。

ヨード

ヨードは、副作用を起こしやすいとされていて、アレルギー反応を起こす方もいます。また、気管支喘息、甲状腺疾患、心臓病、肝臓病などを持っている方は検査を受けることができません。

誰でも受けられる検査ではないので、リスクが高いということが分かりますよね。

動物実験においては、ヨードのわずかな胎盤通過性が認められているのですが、ヨードによる胎児、新生児への影響は認められていません。しかし、臨床での安全性は確立していないので検査を受けるか受けないかは本人次第となっています。

また、妊婦に羊水胎児造影を施行した例では、新生児が一過性甲状腺機能低下を引き起こしたとの報告があるのです。ヨードは甲状腺への影響が強いということを知っておくようにしましょう。

ガドリニウム

ガドリニウムは、ヨードと比べると体に蓄積しにくい造影剤といわれます。被ばくや放射線の影響を気にする必要もないので、バリウムやヨードよりは危険性が低いです。

ガドリニウム製剤は胎盤通過しますが、赤ちゃんに影響もありません。しかし、上記で説明したように排尿には負担がかかるので腎臓が弱い方は検査を受けることができないということを覚えておいてください。

MRIに関する論文

MRI検査が妊娠中にどのような影響を及ぼすのか、見解をまとめた論文があります。上記で紹介したガドリニウムについての説明もありますよ。2016年の9月6日に発表されたMRIに関する論文を見ていきましょう。

英語のこの論文をある医師が日本語で紹介解説していますので、そちらの一部を抜粋して紹介いたします。

参考文献:2016年9月6日号アメリカ医師会雑誌(JAMA)掲載論文「妊娠第一期のMRI曝露と、胎児及び幼少期への影響との関係」

http://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2547756

MRIの妊娠中の使用における安全性について、解説一部抜粋

単純MRIは妊娠中にも基本的には安全と考えて良さそうですが、念のため妊娠初期の使用は控えた方が良く、ガドリニウム造影剤の妊娠中の使用は、原則として行わないことが妥当なようです。

引用元:MRIの妊娠中の使用における安全性について

http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2016-09-08

このように妊娠初期ならず妊娠期間中はガドリニウムの使用は意識して控えた方がよいことがわかります。

バリウム、ヨード、ガドリニウムについて解説してきましたが、どの薬も100%安全という訳ではないです。

薬には副作用が必ず付いて回りますし、バリウムやヨード、ガドリニウム以外の薬で体に影響が起こってしまう可能性もありますよね。できるだけ、妊娠中に薬を服用することや、注射するといった行為は避けたほうが良いでしょう。

妊娠中のプレママ、造影剤を使って行う必要のある検査なの?

妊娠中の造影剤の安全性に関してはデータがほとんどありません。

「安全」とする根拠もなければ、「危険」とする根拠もないのです。なので、造影剤を使う検査は絶対的な必要性が無い限り受けない方が良いという結論に至ります。

では、なぜ造影剤を使う必要があるのか。造影剤を用いた方が診断精度は高くなるからで、医師側の診断ミスを少なくすることもできます。

しかし、造影剤を使わなくても診断できる病気もたくさんあります。造影剤を使わなければ診断できない疾患かどうか、一度しっかり担当の産婦人科医に聞いてみましょう。

免疫が弱っている妊娠中にかかってしまった病気は、治療しなければ命に関わる可能性もあります。その際は造影剤を使用した検査を受けなければなりませんが、産科の担当医に質問、相談をして、どの程度急を要する検査なのかしっかり説明をお願いしましょう。

まとめ

造影剤に関する知識や、造影剤が妊婦さんと赤ちゃんに与える影響について解説してきました。

安全だと断言できるほどではありませんが、妊娠中に造影剤を使った検査を行ってしまったからといって、奇形児が生まれてきてしまうのではないか、疾患をもって生まれてきてしまうのではないかと、過剰に心配する必要はありません。

しかし、造影剤を使った検査の必要が出た場合、出産後まで検査は伸ばせないものか、また造影剤を使わずに検査ができないものかなどを医師に確認し、説明を受けることは必要ですね。

 

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