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基本知識

妊娠時の麻酔のリスクまとめ。歯医者や胃カメラ、ケースごとに解説

投稿日:2017年1月20日 更新日:

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妊娠中でも、どうしても治療をしなければならないような歯の痛みや体調不良を経験することもあるかもしれません。しかしそんなときには「麻酔は使ってもいいのか」「治療を受けていいのか」「治療後の服薬はどうなのか」を考えると不安になってしまうのではないでしょうか。

今回は、妊娠中に麻酔を使うような治療や検査などを受けてもいいものかについて解説をしていきます。

麻酔薬の知識と妊婦・胎児への配慮

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麻酔といってもその種類はさまざまです。
まず、妊娠中の麻酔薬の使用によってどんな影響があるのか勉強しておきましょう。

麻酔薬についての一般知識

麻酔薬は大きく分けると全身麻酔と局所麻酔に分かれます。

全身麻酔は、「脳」を標的として麻酔薬を作用させ、意識を消失させて全身の痛みをはじめとする全ての感覚を消失させます。全身麻酔薬の種類によっては呼吸抑制がおこり人工呼吸器の装着が必要になる場合もあります。

局所麻酔は、下腹部やそれより下部の手術で行われる脊椎麻酔・硬膜外麻酔があり、さらにごく限られた局所に行う局所麻酔などがあります。

一般的には全身麻酔と局所麻酔では、局所麻酔のほうが全身に影響を及ぼさないように使用されるため呼吸や循環への影響がなく安全性が高いとされています。

妊娠中の麻酔使用、胎児への影響は

麻酔を使用した際、胎児にはどんな影響があるのか、一番気になる点を掘り下げていきましょう。

妊娠中の麻酔薬の影響は

手術や検査などを受ける際の麻酔薬が原因で奇形や死産となる率が高くなる、ということは報告されていませんが、手術室など麻酔薬を日常的に使用する現場で長期間働く女性には奇形や自然流産となる危険性が高い、という報告もあるようです。

また、動物実験では「臨床ではとても使えないほどの大量の麻酔を投与することで催奇形性がある」という報告があります。

このことから一度の手術や検査での麻酔薬は危険ではないものの、まったく安全とも言えないようです。

麻酔薬の使用を避けたい時期も

器官形成がとくに活発な妊娠4週から12週頃の器官形成期は、胎児は最も刺激に過敏性が高く、薬剤・ウイルス感染などの影響を受けやすい時期でもあります。

器官形成期の中でも妊娠4週から7週はとくに過敏性が高い時期なため、器官形成期は「全身麻酔薬の使用はできるだけ避けて局所麻酔を用いたほうが良い」「緊急でない手術などでなければ時期をずらすべき」と考えらえています。

器官形成期以外での麻酔の適正な使用でも妊婦・胎児への影響は報告されていません。それでも絶対に安全というものでもないので、出産後で可能な手術や検査ならば、出産後までまって行うほうが賢明でしょう。

妊娠中でも麻酔を使う必要のある手術も

出産後まで待てれば良いのですが、病状・疾患によっては妊娠時期に関わらず緊急に行わなければならない手術もあります。どんな手術がどんなタイミングで行われるのでしょうか。またどのように考慮されることがあるのかなどを表にまとめてみました。

手術のタイミング 考慮されること

適応となる症例

(麻酔の種類)

【緊急手術】

緊急性が高く、時期に関係なく緊急・即時に行うべき

①重症例では母体の生命を優先

②母体の状況や手術内容、妊娠週数によっては帝王切開後に手術

急性虫垂炎(全身麻酔)

胆石・胆のう炎(全身麻酔)

重症外傷(全身麻酔)

開放骨折(全身麻酔・局所麻酔)

腸閉塞(全身麻酔)など

【予定手術】

緊急性は低いが手術を要する

①出産後の手術で可能であれば出産後に手術を行う。

椎間板ヘルニア(全身麻酔)

手根管症候群(全身麻酔)など

【準予定手術

(準緊急手術)】

緊急手術は必要ではないができるだけ早期の手術を必要とするもの

①出産後の手術で可能であれば出産後に手術を行う

②流産・早産予防と器官形成期への影響を避けるため第2三半期に手術を行う

重症椎間板ヘルニア(全身麻酔)

乳がん(全身麻酔)

など

手術によるリスクは麻酔薬だけではなく、切開をすることで出血を伴うなど身体への大きな侵襲なども考慮しなければなりません。このように医師は麻酔薬・手術による侵襲による妊婦・胎児への影響も慎重に考慮して手術のタイミングを図って万全を期して治療にあたっているのですね。

ところで、このような大きな手術を妊娠中に受ける機会は稀なケースですが、日常生活で身近に麻酔を使用する治療・検査といえば歯の治療や胃カメラなどではないでしょうか。

妊娠中に歯の治療や胃カメラなどの治療・検査・処置を受けるのはどうなのでしょうか。それぞれのケースごとに見ていきましょう。

(侵襲:病気や怪我、手術・医療処置も含め「生体を傷つけること」)

妊娠中、歯医者で受けても大丈夫な治療と避けたい治療

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妊娠中は歯の痛みだけでなく、虫歯、歯周病にかかりやすくなります。

歯の治療においても麻酔はもちろんですが、痛み止めや抗生剤などの処方を受けることもあります。妊娠中の歯の治療で受けても大丈夫なものと避けたほうがいいものを考えてみましょう。

・歯医者で使われる麻酔、その種類

歯科で行われる治療もさまざま、使われる麻酔も色々あるので表にしてみました。

歯科で主に使用される麻酔の種類

歯科では主に以下の局所麻酔が施行され、使用される目的も異なります。

局所麻酔の種類 麻酔方法・特徴 胎児への悪影響
浸潤麻酔 注射器で歯茎に麻酔薬を注射し神経を麻痺させる。近年では針も細くなり針を刺す際の痛みはかなり改善されている。また針を必要としないものも開発されている。虫歯の治療で主に使用される。 いずれも局所麻酔であり、歯科に限らず局所麻酔薬による奇形や先天性異常など胎児への影響の報告はない。
表面麻酔 歯茎表面の麻酔で歯茎に塗布するように施行される。歯のクリーニングや浸潤麻酔の際の痛みを軽減させるために使用される。
伝達麻酔 下顎奥歯の歯茎は浸潤麻酔では充分に効果を得られないため行う。脳から下顎に出る神経に麻酔薬が届くように麻酔を行うため奥歯の歯茎から唇や舌まで麻酔効果が得られる。奥歯の治療や親知らずの抜歯などで使用される。

全身麻酔薬が使用されることも

歯の治療では機械音だけで恐怖・不安感を強く感じてしまう方も多いようですね。またインプラントの施術では身体への侵襲も大きいため全身麻酔薬を使用することでより確実に感覚を麻痺させたり、全身麻酔薬を低濃度で使用することでリラックスして治療に臨むことができます。

以下のような麻酔が行われます。

麻酔の種類 麻酔方法・特徴 母体・胎児への悪影響
笑気(しょうき)麻酔 笑気という麻酔ガスをマスクやカテーテルなどから吸入することでリラックス・麻酔効果を得ることができる。一般的な虫歯の治療でも施行されることもある。 前述の局所麻酔と同じように、麻酔薬における奇形や先天性疾患などの報告はない。
静脈内鎮静法 点滴を行い、その点滴のチューブから麻酔薬を注入する。笑気では充分な効果が得られない場合や、親知らずの抜歯・インプラント施術のような侵襲の大きな治療を行う際に施行される。

妊娠中の歯科治療別の注意点

妊娠中には抗生剤や痛み止めなどの薬の服用ができないこともあります。しかし歯の治療には痛みを伴うものが多いですし、治療後の感染予防も気になるところです。どんなところに注意すべきか確認してみましょう

麻酔薬を使用せずに治療もできる?リスクは?

前述していますが、麻酔薬は適切に使用されれば母体や胎児に悪影響を及ぼすということは無いようです。

しかし、それでも麻酔の影響が心配だという人もいるでしょう。すぐに治療が必要でない場合は出産後に治療を伸ばせますが、ひどい痛み、状態が悪い時は治療を行わなければならないこともあるでしょう。

歯科の治療では痛みを伴うことも多いので、麻酔使用の可能性は頻繁です。

麻酔の影響が心配な場合は医師に相談して麻酔薬を使用せず治療することも不可能ではないでしょう。しかし痛みを我慢して治療を受けることは、全身に力が入る・吐き気が出るなど体調を崩すことも考えられ、かえって母体や胎児にとって悪影響を及ぼすこともあります。

妊娠中でも受けたほうがいい治療は

一般的な虫歯は治療をしたほうがいいでしょう。
とくにあまり進行していない虫歯は麻酔薬を使用する必要もないので、治療をお勧めします。虫歯を放置すると、悪化し将来抜歯の可能性も出ます。もう生えることのない永久歯、慎重になりたいですね。

このほかにも治療後に抗生剤や痛み止めを服用しなくても済むような治療、歯石の除去、歯周病の治療などは受けておいた方がよいでしょう。

自分では進行の程度やどんな治療が必要となるのかは判断できないので早めに歯科受診をして治療について相談をしてみましょう。

妊娠中に避けたほうがいい治療は

避けたほうがいいのは、すぐに治療の必要のない親知らずの抜歯やインプラント治療など、外科的な治療が必要となるものです。治療後に痛みや腫れが出ることがあり痛み止めや感染予防のための抗生剤の服用が必要となることがほとんどです。

できるだけ妊娠前か出産・授乳後に治療をしたいものです。ですが、妊娠中に親知らずが痛み始めた、こんな時は歯科受診をして、治療方法をよく相談してみましょう。

いずれにしてもすべてのケース、ご自身で判断できるものでもないので歯科受診をして治療の方法やタイミングなど相談をする、これが基本ですね。

そして、歯科に限りませんが、妊娠中に産科以外の病院を受診する前にはかかりつけ産科医師に報告・相談をしてからにしましょう。また、歯科受診の際にも妊娠していることをきちんと告げて治療に臨みましょう。

麻酔と一緒に、妊娠中の点滴のリスクについても確認しておきましょう。
>妊娠中の点滴が影響を与えるリスクとは 

妊娠中の胃カメラ、胎児に麻酔の影響は・・・?

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妊娠すると体調も変化しやすく胃の痛みなどの異常を感じることもあります。胃部症状がひどく改善しないときには胃カメラで胃の状態をチェックしたほうがいいこともあります。妊娠中の胃カメラも身体に負担がかかるものですが、妊娠時期を考慮した検査方法や麻酔薬の種類によって、安全に行うことができるようです。

胃カメラを避けたほうがいい時期は

器官形成期について前述していますが、胃カメラも胎児の感受性が高い器官形成期の検査は見合わせましょう。妊娠超初期、麻酔薬の使用や身体へ負担となる検査は控えたほうがいいでしょう。

検査を必要とする場合は、器官形成期(4~12週頃まで)を過ぎてからが安心でしょう。また4週目までは薬剤の影響はほとんどないとされているので、妊娠に気付かずに受けてしまった方は、あまり心配しないように・・・ストレスは赤ちゃんに決してうれしい状態ではありません。

妊娠中は、より負担の少ない胃カメラの検査が使われる

胃カメラは咽頭を通り食道・胃を観察するため、どうしても「オエッ」となる【咽頭反射】が起こってしまいます。咽頭反射では腹圧もかかりやすく咽頭反射が何度も続いてしまうと少なからずとも胎児への影響も心配です。

胃カメラは口から入れるもの(経口)と、鼻から入れるもの(経鼻)の二種類があります。結果としてはどちらも咽頭反射は起こるのですが、経鼻カメラのほうが咽頭に直接触れにくいため咽頭反射が少なくなります。

両方の胃カメラの検査時の心拍数の上昇を比較すると、経口のほうが高くなることもわかっており、それだけでも経鼻胃カメラのほうが身体への負担・ストレスが少ないことがわかります。

また経鼻・経口の胃カメラ両方を受けたことのある方のほとんどが「経鼻からの胃カメラの方が楽だった」という感想を持たれるそうです。

妊娠中に胃カメラを受ける場合も、まずは産科担当医師に相談をして受けるようにしましょう。また胃カメラを受ける前には妊娠していることをしっかり伝えることは忘れずに!

麻酔が胎児へ与える影響が心配なプレママと妊活中の女性の皆さんへ

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胎児にも影響が少ない麻酔薬があったり、タイミングを考慮すれば比較的安全に検査・治療を受けられることを解説してきました。

妊娠の有無に関わらず検査や治療を受けるときは不安や緊張はつきものです。ましてや、妊娠が関わっているのであれば麻酔薬が胎児へ与える影響などさらに心配が強くなることは仕方のないこと、そこで、これから治療が必要…というプレママや、妊活中の皆さんにプチ・アドバイスを…

もし現在歯科治療や、胃カメラの検査が必要なプレママは

これまで解説してきましたが、大切なのは検査・治療の内容やタイミングです。適切なタイミングで治療を行えば、胎児への影響もほとんど心配なく受けることができます。

まずは産科担当医師に相談をして、そのうえで治療等が必要であれば、専門科との連携をとってもらい「適切なタイミングで適切な治療」を受けられるようにしてもらいましょう。専門科受診・治療時には自分からも妊娠中であることを改めて告げ、不安に思うことはなんでも話して納得したうえで治療を受けるようにしましょう。

赤ちゃんがほしい妊活中の皆さんへ

妊娠中でも安心して検査や治療が受けれるとしても、妊娠中は体調が変化しやすく妊娠をしているだけで疲れやすいものです。そのような状況で胃カメラやその他治療を行うことは心身ともにストレスが強くなることでしょう。

妊娠を希望しているでもまだ妊娠をしていない方は、ぜひ妊活前に健康診断や人間ドック、歯の治療を済ませておくなど、できることをしておくと安心して妊娠・出産を迎えることができますよ。

まとめ

歯科や胃カメラを中心に解説してきましたが、妊娠中でも治療内容やタイミングによってはほとんど影響がないことが分かりました。しかし、そう分かっていてもどうしても不安はゼロにはならないことだと思います。

ですが、妊娠中の治療や検査で重要なのは「妊娠中に治療や検査を受けることが妊娠の継続・胎児にとって有益なのかどうか」ということではないでしょうか。

治療や検査を勧められた場合は、本当に妊娠中にでも行うべきなのかを、家族や主治医などとしっかり検討をしたうえで決定するようにしましょう。

もちろん妊娠を希望している段階なら早めに健康状態のチェックも必要ですね。

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